結論:プレーは週1〜2回から。筋トレを週2回、別に足す
ピックルボールはダブルスでも心拍が中強度に入る運動で、続けた人には体力や気分の改善が報告されていますが、膝と肘を中心にケガも多いため、プレーとは別に脚と腕を整えておくのが安全です。
| あなたの状況 | 最初の一手 |
|---|
| これから始める | 週1〜2回から。頭上を越える球は後ろ向きに追わない |
| すでに週3回以上プレーしている | プレー時間を増やす前に、筋トレを週2回足す |
| テニスやバドミントンの経験がある | 腕の使いすぎに注意。前腕と肩を鍛えておく |
| 運動から離れていた | ダブルスから。楽しめる強さで、十分な運動になる |
| 親に勧めたい | 転んで手首を折るケガが多い。脚とバランスの筋トレを一緒に |
筋トレを別に足す理由は2つあります。ひとつは、ダブルスを11試合続けても脚の力が落ちなかったように、筋力を伸ばす刺激としては軽いこと。もうひとつは、ケガの多くが、転倒、急な踏み込み、腕の使いすぎといった、筋力とバランスで備えられる場面で起きていることです。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」も、成人に、息が弾む程度の運動に加えて、筋トレを週2〜3日行うことを勧めています。
なぜ人気?狭いコートで、覚えやすく、話しながらできる
コートはバドミントンのダブルスと同じ13.4m×6.1mで、サーブは下から打ち、ネットから約2.1mの「キッチン」と呼ばれる区域ではノーバウンドで打ち返せないため、力より位置取りが勝負を分けます。
強い球を打ち込みにくいルールなので、初めての人でもラリーが続きやすい。2〜4人で、話しながら楽しめる。この始めやすさが、人気のいちばんの理由です。
日本では、ピックルボール関連の事業を営むピックルボールワンが2026年3月に3万人を調べ、競技人口を約33万人、週1回以上プレーする人を約15万人と推計しました。名前を知っている人はまだ13.1%ですが、興味がある人は約1,189万人。プレーする場所は公共の体育館が約半数(49.5%)で、テニスコートが37.9%でした。
アメリカでは2025年に2,430万人がプレーし、2020年の約420万人から5年で6倍近くに増えています(米スポーツ・フィットネス産業協会)。研究も追いかけるように増え、ここ1〜2年で、体への効果とケガの両方について、まとまったデータが出そろってきました。
運動量は?ダブルスでも心拍は中強度、1時間で約350kcal
平均62歳の53人に心拍計と活動量計をつけた研究では、ダブルスもシングルスも平均心拍が予測最大心拍の約7割に達し、プレー時間の7割以上が中強度以上の心拍でした。
| 調べたこと | わかったこと |
|---|
| 心拍と歩数(平均62歳の53人・2022年) | 平均心拍は予測最大心拍の約70%。1時間に約2,800歩(ダブルス)〜3,300歩(シングルス) |
| 酸素の使用量(平均65歳の15人・2018年) | ダブルスの試合は約4メッツ。1時間で約350kcal(平均体重76kg) |
| 同じ15人が週3回・6週間続けた結果 | 心肺の力(最大酸素摂取量)が伸び、血圧とLDLコレステロールが下がった |
| ダブルス11試合の前後(32人・2026年) | 「疲れた」という感覚は強まったが、ジャンプの高さは落ちなかった |
約4メッツは、国のガイドが目安にする「3メッツ以上」の強さに入ります。消費カロリーは体重にほぼ比例するので、体重60kgの人なら1時間で約280kcalが目安です。ゆるく見えるのは、強打が少なく、走る距離が短いから。それでも、数歩動いては止まる動きをくり返すので、心拍はしっかり上がります。
ダブルスを11試合続けた研究は、筋肉の側から見た結果です。試合を終えて「疲れた」と感じていても、脚の力の目安になるジャンプの高さは落ちず、むしろ上がっていました。研究チームは、ダブルスのために筋持久力を特に鍛える必要はないかもしれない、とまとめています。心肺の運動としては十分でも、筋肉にとっては余力を残して終わる程度の負荷です。筋力を伸ばしたいなら、筋トレを別に足すのが確実です(量の目安は筋トレは週30〜60分という記事)。
続けた人に起きた変化|体力・バランス・気分・つながり
フレイル予備群の高齢者72人を2つに分けた2026年の試験では、8週間ピックルボールを続けた群の42%が予備群から抜け出し、何もしなかった群の8%を大きく上回りました。
| 調べたこと | わかったこと |
|---|
| フレイル予備群の72人(中央値67歳・8週間・2026年) | 42%が予備群から抜けた(何もしない群は8%)。椅子から立つ回数、6分間に歩ける距離、生活の質も改善 |
| 60〜75歳の女性36人(週3回・8週間・2025年) | バランスのテストが28%、歩く速さが13%上がり、人とのつながりの指標も伸びた |
| 13の研究のまとめ(2023年) | 幸福感、生活の満足度、うつ、ストレスなどで改善。参加者の9割は50歳以上 |
| 50歳以上825人の全国調査(米国・2025年) | 今プレーしている人は、孤独を感じにくく、人との交流が多かった |
| 日本の大学1年生106人(100分の試合・2025年) | 試合のあと「活気」が上がり、6割強が「楽しい」「よかった」と答えた |
研究の多くが、体の変化と一緒に、気分や人とのつながりの改善を報告しています。ひとりで黙々と続ける運動が苦手な人にとって、これは大きな利点です。
ただし、効果の大きさは始めたときの体力で変わります。上の試験の多くは、運動から離れていた高齢者が対象でした。ふだんから運動している30〜40代が同じだけ伸びるとは限らず、27の研究をまとめた2024年のレビューも、若い世代での研究はまだ足りないと指摘しています。
もうひとつ、米国の1,667人の調査では、週3回以上、1回2時間を超えてプレーする人ほど心の健康の点数が高い一方、最近ケガをした人は点数が大きく下がっていました。続けるほど得られるものは増え、ケガをすると、それを手放すことになります。
ケガは膝と肘に多い|大会に出る人の約4割が1年で痛めた
韓国の全国大会に出た383人(平均47歳)を調べた2026年の研究では、1年間に38%が何らかのケガをし、痛めた部位は膝が最も多く、肘・前腕、足首・足、手首・手と続きました。

※ Leeら(2026年)の韓国の調査から作図。参加者は週に約9時間プレーし、始めてから平均1年半。1年間に痛めた部位(複数回答・266件)の内訳で、脚は股関節・膝・足首、腕は肩・肘・手首。
部位ごとに見ると、膝21.4%、肘・前腕16.5%、足首・足15.8%、手首・手12.0%、肩11.3%。ケガの半分強は使いすぎによるもので、ケガをした人の3人に1人は2週間以上プレーを休んでいます。ケガが多かったのは男性と、週のプレー時間が長い人で、1時間増えるごとにケガをする見込み(オッズ)が約6%ずつ高くなっていました。
アメリカでは、ピックルボールで救急外来を受診した人の推計が、2014年の約1,300人から2023年には約2万4,500人に増えています。プレーする人が増えたぶん、ケガも増えた面が大きいものの、中身には3つの傾向があります。
- 転ぶ|いちばん多いきっかけ。女性と60〜79歳で多く、手首の骨折につながりやすい。目のケガも、6割は転んで顔を打ったもの
- 脚に急な力がかかる|40〜59歳は脚のケガが多く、男性は肉離れや捻挫が多い。アキレス腱を切った人を調べた研究では、ピックルボールが原因の人は平均64.5歳とほかの原因の人より16歳上で、手術になった割合も67%と高かった
- 腕を使いすぎる|米国の1,758人の調査では、1年で39%が肩・肘・手首のどこかに痛みを経験。最も多いのは使いすぎによる慢性の痛みで、始めて日が浅い人、プレー回数が多い人に多かった
救急で入院になった割合は、ほかのラケットスポーツの約2.6倍で、入院の増加は高齢者とピックルボールのケガが押し上げていました。10年分の救急の記録には、心停止による死亡も5件含まれています。心臓や血圧に持病がある人は、始める前に主治医に相談してください。
コートに立つ前の体づくり|脚と腕の6種目、プレー前の10分
ケガの研究をまとめた2026年のレビューは、動きながら体を温める準備運動、バランスの練習、競技に合った靴を予防策に挙げていて、これに脚と腕の筋トレを足すと、ケガが多い場面をひととおり押さえられます。

※ ケガの多い部位(膝・足首、肘・手首・肩)に合わせてRESISTが選んだ種目。ダンベルは水を入れたペットボトルで代用できます。
脚は、踏み込んで止まる動き(カーフレイズ・スプリットスクワット)、横の切り返し(サイドランジ)、ぐらつき(片脚立ち)の3方向から。腕は、パドルを振る前腕(リストエクステンション)と肩まわり(肩の外旋)を鍛えます。回数の目安は、どれも10回×2セット(片脚立ちは左右30秒×2)を週2回。カーフレイズとリストエクステンションは、上げるのは普通に、下ろすのを3秒かけます。下ろす局面は、同じきつさでも筋肉に大きな負荷をかけられる動きです(ゆっくり下ろす動作の記事)。週の組み方なら、平日に筋トレを2回(各30分)、週末にピックルボールを1回が、無理なく回せる形です。
プレー前の10分は、この順で動かします。
- 早歩きか軽いジョグで2〜3分
- 脚の前後・左右の振り上げを各10回
- コートの幅をサイドステップで2往復
- 肩を回し、腕を大きく振る(各10回)
- キッチン付近で、ゆっくりしたラリーを3〜4分
コートでの動き方は4つ。
- 後ろ向きに下がらない|頭上を越える球は、体を横に向けて走って戻る。ピックルボールの心拍を測った研究チームは、参加者のほぼ全員がプレー中に転んだ経験を持ち、頭上の球を後ろ向きに追う場面が特に危ないと指摘しています
- 靴は体育館・コート用|横に止まる動きを支える作り。ランニングシューズは前に進む動きのための靴です
- 時間は少しずつ|最初の1か月は週1〜2回。楽しくても、何時間も続けてやらない
- 目を守る|保護用のアイウェアを。ふだんの眼鏡は、ボールから目を守るようには作られていません
RESISTでの考え方:パドルは教えない。動ける体をつくる
自分ひとりで準備する場合、ジムの器具は借りられても、どの種目を何回やり、いつ負荷を上げるかという設計は、すべて自分に残ります。
RESISTは、ピックルボールの打ち方を教える場所ではありません。担うのは、コートで長く動ける体の準備です。ピックルボールの準備で、自己判断が外れやすい場面は3つあります。
- 痛めやすい場所は人で違う|テニスやバドミントンの経験があれば腕の使いすぎ、運動から離れていた人なら膝や足首と、気をつける場所はこれまでの体の使い方で変わります。研究が示す年代や性別の傾向も、一人ひとりにそのまま当てはまるわけではありません
- 疲れの感覚と体はずれる|11試合の研究のように、疲れたと感じても筋肉には余力が残っていることがあります。逆に、楽しくて、気づけば何時間も続けていることもあります
- 膝の向きは自分で見えない|サイドランジやスプリットスクワットで膝が内側に入っていないかは、横から見てもらうと早く直せます
マシンピラティスも、この準備と相性のいい運動です。ばねの補助を受けながら片脚で体を支える、股関節や肩甲骨の位置を安定させる、といった練習を、負荷を調整しながら行えます。
RESISTは1回30分から通い放題で利用でき、会員の平均来店頻度は週4.6回です。ウェアもシューズもタオルも無料で借りられるので、平日の仕事帰りに手ぶらで30分、週末はコートへ。そんな組み合わせが、無理なく回せます。
◾️ コートに立つ前の体づくりから始めたい方へ。RESISTの無料体験はこちらから
まとめ:ゆるく見えて、しっかり運動。だから体を整えてから
- ピックルボールは、ダブルスでも心拍が中強度に入る。1時間で約350kcal(平均体重76kgの人)
- 続けた人には、体力・バランス・気分・人とのつながりの改善が報告されている
- 筋肉への負荷は軽め。筋トレは週2回、別に足す
- 大会に出る人の約4割が1年でケガをし、痛めた部位は脚と腕が同じくらい
- 頭上の球を後ろ向きに追わない、コート用の靴、プレー前の10分
この記事の要点をひとことで言えば、ピックルボールは楽しく続けられる運動で、その楽しさを長く守るための筋トレを、別に持っておくことです。週末にまとめて体を動かす人は週末だけの運動の記事を、膝が気になる人は膝の痛みと運動の記事もあわせてどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q1. 運動が苦手でも楽しめますか?
楽しめる人が多いスポーツです。サーブは下から打ち、ボールは穴のあいた軽いもので、テニスほど速い球になりません。日本の大学1年生106人が100分の試合をした研究でも、6割強が「楽しい」「よかった」と答えました。運動から離れていた人は、走る範囲が狭いダブルスから始めると安心です。
Q2. ピックルボールだけで痩せますか?
消費カロリーは1時間で約350kcal(平均体重76kgの人)です。体重が減るかどうかは、食事を含めた1日の収支で決まります。プレーで消費を増やしながら、筋トレで筋肉を落とさないようにすると、体重だけでなく体の締まり方も変わりやすくなります(運動の強さと脂肪の燃え方は脂肪燃焼ゾーンの記事)。
Q3. 肘や手首が痛くなりました。続けてもいいですか?
使いすぎによる痛みなら、まずプレーの時間と回数を減らし、痛む動きを休みます。腫れや熱、しびれがある場合や、痛みが2週間以上続く場合は、整形外科を受診してください。痛みが落ち着いてから、前腕をゆっくり下ろす練習を軽い負荷で始めます。
Q4. 何歳から何歳までできますか?
年齢の決まりはなく、研究の参加者も大学生から70代までいます。ただ、救急で手当てを受けたケガは60〜79歳が最も多く、転倒による手首の骨折が目立ちます。年齢が上がるほど、プレーと一緒に脚とバランスの筋トレを続けてください。
参考文献
[1] 平均62歳の53人が、シングルスとダブルスのピックルボールをしたときの心拍・運動強度・歩数を測った研究(Webberら). Journal of Aging and Physical Activity. 2022. (PMID: 36087934)
[2] 中高年15人のダブルスの試合中の心拍・酸素の使用量・消費エネルギーと、週3回・6週間続けたあとの心肺の力・血圧・コレステロールの変化を調べた研究(Smith、Buchanan、Dalleck). International Journal of Research in Exercise Physiology. 2018.(ijrep.org)/研究の解説と転倒についての記述(米国運動評議会ACE、acefitness.org)
[3] ダブルス11試合の前後で、疲れの感覚とジャンプの能力を比べた研究(Martinら). Research Quarterly for Exercise and Sport. 2026. (PMID: 42312964)
[4] フレイル予備群の高齢者72人を、8週間ピックルボールをする群としない群に分けたランダム化比較試験(Zengら). International Journal of Nursing Studies. 2026. (PMID: 42066553)
[5] 60〜75歳の女性36人が週3回・8週間ピックルボールをしたときの、バランス・歩き方・人とのつながりの変化を調べたランダム化比較試験(Sheikhbahaieら). Journal of Aging and Physical Activity. 2025. (PMID: 41161302)
[6] ピックルボールと心の健康についての13の研究をまとめたシステマティックレビュー(Cerezuelaら). Frontiers in Psychology. 2023. (PMID: 36895753)
[7] 米国のプレーヤー1,667人で、プレーの頻度・時間と心の健康(WHO-5)の関係を調べた研究(Owoeyeら). Frontiers in Psychology. 2025. (PMID: 41122284)
[8] 米国の50歳以上825人で、ピックルボールと孤独感・社会的孤立の関係を調べた全国調査(Kurthら). Journal of Primary Care & Community Health. 2025. (PMID: 41117027)
[9] 日本の大学1年生106人が100分のピックルボールの試合をしたときの、気分の変化を調べた研究(Leeら). Journal of Functional Morphology and Kinesiology. 2025. (PMID: 40981051)
[10] ピックルボールと成人の健康・幸福についての27の研究をまとめたスコーピングレビュー(Stroesserら). Journal of Physical Activity and Health. 2024. (PMID: 39025467)
[11] 韓国の全国大会に出た383人で、1年間のケガの割合・部位・関係する要因を調べた研究(Leeら). Frontiers in Public Health. 2026. (PMID: 42558175)
[12] 米国の救急外来を受診したピックルボールのケガを、2014〜2023年について年代・性別ごとに分析した研究(McMillanら). Sports Health. 2025. (PMID: 40653665)
[13] 米国の救急外来を受診したラケット・パドルスポーツのケガ(2000〜2023年)と、入院の割合を調べた研究(Fergusonら). American Journal of Emergency Medicine. 2026. (PMID: 42372568)
[14] ピックルボールが原因のアキレス腱断裂の増加と、年齢・手術の割合を調べた研究(McCahonら). Foot & Ankle Specialist. 2024. (PMID: 39377135)
[15] 米国のプレーヤー1,758人で、肩・肘・手首のケガの割合と関係する要因を調べた全国調査(Bellmら). JOSPT Open. 2026. (PMID: 42686154)
[16] 成人のピックルボールの脚のケガについて、種類・きっかけ・危険因子を15の研究からまとめたシステマティックレビュー(Okhovatら). Cureus. 2026. (PMID: 42291932)
[17] 米国の救急外来を受診したピックルボールの目のケガ(2010〜2023年)を分析した研究(Kambojら). Digital Journal of Ophthalmology. 2026. (PMID: 42577836)
[18] ピックルボールのプロとアマチュアの、保護用アイウェアの使用状況を調べた研究(Henickら). JAMA Ophthalmology. 2026. (PMID: 41746624)
[19] 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(mhlw.go.jp)
[20] 株式会社ピックルボールワン「日本のピックルボール市場調査2026」(2026年3月調査・15〜79歳の3万人)(pickle-one.com)
[21] Sports & Fitness Industry Association「U.S. Pickleball Participation」(sfia.org)
[22] 株式会社ビーケー・ジャパン「バーガーキング®が『ピックルボール』と再びコラボ!」2026年10月8日(burgerking.co.jp)
[23] Googleトレンド(日本・過去5年・「ピックルボール」「ハイロックス」)。2026年10月14日にRESISTが取得し、月ごとの平均で比較