在宅勤務は、1日約2,500歩を消す
感覚ではなく、数字で見ましょう。
在宅勤務と出社勤務の身体活動を比較した38研究・約282,000人分の系統的レビューとメタ分析では、在宅勤務の日は出社の日と比べて、1日の歩数が平均約2,564歩少なく、勤務時間中の座位時間が31分長いという結果が出ています(BMC Public Health系, 2025)。

※ 38研究・約28.2万人の系統的レビューとメタ分析より。歩数の差は7研究のメタ分析値。研究の多くはコロナ禍に実施された点に留意。出典: 2025(PMID: 41249967)
2,500歩は、距離にしておよそ1.5〜2km。これが毎日、静かに消えている。厚生労働省の「身体活動・運動ガイド2023」は成人に1日8,000歩相当の身体活動を推奨していますが(厚労省, 2023)、在宅中心の生活では、意識しなければ半分にも届かない日が普通に発生します。
しかも失われるのは歩数だけではありません。座りっぱなしの時間そのものが、血糖・血流・腰や肩の負担を通じて健康リスクとして積み上がることは、座りすぎの科学の記事で整理したとおりです。在宅ワークは、「運動不足」と「座りすぎ」という別々の問題を同時に進行させます。
「家で運動すればいい」が続かない、構造的な理由
ここで多くの人がこう考えます。「通勤がない分、時間はあるのだから、家でヨガでも筋トレでもすればいい」。正論です。そして、続きません。
理由は根性ではなく構造です。第一に、家は仕事と休息の場所として脳が学習済みで、運動への切り替えコストが高い。第二に、誰との約束もない運動は、優先順位の最下位に落ちる。仕事が押せば消えるのは常に自分の運動です。第三に、自己流はフォームも強度も曖昧なまま、効いているのか分からず飽きる。ジムが続かない人の心理はジムが続かない理由の記事で書きましたが、在宅の「家トレ」はさらに脱落しやすい構造にあります。
だから設計の発想を変えます。在宅ワーカーに必要なのは「家でやる運動」ではなく、「外に出る理由になっている運動の予定」です。
初台での現実解:平日の「中断」と、週2回の「外に出る予定」
具体的には、2層で設計します。
| 層 | 何をするか | ねらい |
|---|
| 毎日の層 | 30〜60分ごとに立つ・昼食後に10分歩く・買い物や送迎を徒歩にする | 座位の中断と歩数の回収。食後の眠気・血糖対策にも |
| 週2回の層 | 予約した運動の予定で外に出る(30分の筋トレ/ピラティス) | 筋肉・姿勢・体力の土台。仕事に消されない「約束」 |
毎日の層のコツは、意志に頼らずトリガーに紐づけること。「オンライン会議が終わったら立つ」「昼食を食べたら外を1周」。食後の10分歩きが血糖と午後の眠気に効く仕組みは食後の眠気と血糖の記事で詳しく解説しています。
同じ在宅の1日でも、設計でここまで変わる
イメージしやすいように、初台の在宅ワーカーの「無設計の1日」と「設計した1日」を並べます。仕事量は同じです。
| 時間帯 | 無設計の1日 | 設計した1日 |
|---|
| 朝 | 起きてすぐPCを開く | 開始前に外を10分歩いてから始業(通勤の代替) |
| 午前 | 会議が続けて3本・座りっぱなし | 会議と会議の間に立って水を汲む(トリガー化) |
| 昼 | デスクで昼食・そのまま午後へ | 昼食後に外を10分。火・金はそのままジムで30分 |
| 午後 | 15時に集中切れ・お菓子とSNS | 集中が切れた時間を「動く時間」に転用する |
| 夕方 | 気づけば夕食・今日も外に出ていない | 買い物や用事を徒歩で足して歩数を回収 |
| 合計 | 歩数2,000〜3,000歩・座位10時間超 | 歩数7,000〜8,000歩・週2回の運動込み |
※ 歩数はイメージの目安です。ポイントは、どれも「運動の時間を新しく作る」のではなく、すでにある切れ目(始業前・昼・集中切れ)に動きを差し込んでいること。在宅ワークは時間の裁量が大きいぶん、設計が効く働き方でもあります。
スタンディングデスクは「解決」になるか
在宅ワーカーからよく聞かれる質問なので、正直に答えておきます。座位対策としては有効、運動の代替にはならない、が研究の示す答えです。
昇降デスク(シットスタンドデスク)の介入研究をまとめた2025年の系統的レビューでは、導入したグループは1日全体の座位時間が対照群より約60〜80分/日少なく、この差は12ヶ月後も維持されていました(2025)。座りっぱなしの害を削る道具としては、はっきり機能します。
ただし、立って仕事をしても歩数は増えず、筋肉への刺激もほぼゼロです。この記事の主題である「消えた2,500歩」と「筋力の土台」は、立つだけでは戻りません。位置づけとしては、スタンディングデスク=毎日の層の補助輪、週2回の運動=土台。両方やる人が最強で、どちらか一つなら運動を選んでください。
「最近、腰と肩に来ている」なら、それは環境と筋力の両方のサイン
在宅ワークが長い人の相談で多いのが、運動不足そのものより先に来る腰の重さと肩・首のこわばりです。原因は二段構えになっています。ひとつはダイニングチェアやソファでの長時間作業という環境の問題。もうひとつは、座位が長いほど姿勢を支える筋肉が使われず弱っていくという身体側の問題です。
環境側は今日直せます。画面の上端を目の高さに(ノートPCは台や本で上げて外付けキーボードに)、足裏は床に、肘は90度前後。これだけで首と腰の負担はかなり変わります。ただし、どれだけ環境を整えても「同じ姿勢を長く続けること」自体の負担はゼロにならないので、前述の「立つトリガー」との併用が前提です。
身体側、つまり支える筋力と姿勢の立て直しは、慢性腰痛とマシンピラティスの記事と肩こり改善の記事で詳しく整理しています。すでに痛みが強い・数週間続いている場合は、運動より先に整形外科で診てもらってください。
そして週2回の層。ここが在宅ワーカーの分かれ目です。「予約」があるから外に出る。トレーナーが待っているから消えない。RESIST西新宿店は初台駅から徒歩7分、甲州街道沿いの生活動線の中にあります。毎日8:00〜22:00営業・手ぶらOKなので、仕事の中抜けや夕方の区切りにそのまま歩いて来られます。片道の徒歩がちょうどウォームアップとクールダウンになり、往復で歩数も回収できる。在宅ワークで消えた「通勤という運動」を、いちばん良い形で作り直せます。
実際、在宅ワーカーの会員の方の来店は、夕方や夜よりも平日の昼と朝(8〜9時台)が多数派です。昼休憩に30分だけサクッと動いて、家に帰ってシャワーを浴び、すっきりした頭で午後の仕事に戻る。職場が家だからこそ組める、在宅ならではのルーティンです。午前中のPC作業で固まった身体を、ピラティスとストレッチだけでケアして帰る日があってもいい。当日予約ができるので、仕事の進み具合を見て「今日行けそう」で動ける。この柔軟さが、時間の裁量が大きい在宅ワークとの本当の相性の良さです。
完全個室・1対1なので、久しぶりの運動でも人目はゼロ。筋トレ・マシンピラティス・ストレッチが通い放題で、座りっぱなしで固まった股関節・胸まわり・姿勢は、バネの補助があるマシンピラティスで整えながら、筋トレで体力の土台を積み直せます。
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よくある質問(FAQ)
Q. 在宅ワークの合間に行きたいのですが、どのくらい時間がかかりますか?
A. トレーニング自体は1回30分で設計できます。初台駅から徒歩7分なので、移動を含めて1時間前後の中抜けで完結します。8:00〜22:00営業なので、朝イチ・昼休み明け・夕方の区切りなど、仕事のリズムに合わせて選べます。
Q. 家でのトレーニングメニューも教えてもらえますか?
A. はい。週2回の来店で身体を作りつつ、来店しない日のための「座位の中断」や自宅でできる簡単な種目もお伝えします。全部を家でやろうとして続かないのが在宅ワーカーの典型的なつまずきなので、「ジムで積む・家では维持する」の役割分担をおすすめしています。
Q. 運動不足すぎて、いきなりジムはハードルが高いです。
A. RESISTは完全個室・1対1なので、周りと比べられる環境ではありません。初回は現在の体力の確認から始めて、最初の数回は「動く感覚を取り戻す」だけでも十分です。強度はあなたの状態に合わせてゼロから設計します。
Q. 歩数はどのくらいを目標にすればいいですか?
A. 厚生労働省のガイドは1日8,000歩相当を推奨しています。ただ、在宅中心でいきなり8,000歩は現実的でないことも多いので、まず「今より2,000〜2,500歩増やす」=在宅勤務で消えた分を取り戻すことから始めるのが実務的です。昼食後の10分歩きとジムへの往復で、かなりの部分が埋まります。
参考文献