そもそも「両方やると筋肉が付かない」は本当か
筋トレと有酸素を同時期に行うことを、専門的には「コンカレントトレーニング」と呼びます。ここで長年心配されてきたのが「干渉効果」。有酸素運動が筋力や筋肥大の伸びを邪魔するのでは、という懸念です。
では実際どうなのか。17件のメタ分析(144の研究・1492人分)を束ねた包括的レビューでは、こう報告されています(Sports Medicine, 2026)。両方を行うグループは、持久力(有酸素能力)は有酸素だけのグループと同等に伸び、さらに筋力は有酸素だけのグループより大きく伸びた(効果量0.59)。つまり、両方やっても持久力は犠牲にならず、筋力面ではむしろ有利。「両方やると筋肉が付かない」という不安は、多くの人にとっては過剰な心配だということです。
もちろん、干渉効果がゼロというわけではありません。競技レベルで筋肥大を1%単位で追い込むアスリートでは、有酸素の量や種目を管理する意味があります。ただ、健康や体づくりが目的の大多数にとっては、「両方やる」デメリットより、両方から得られるメリットのほうが大きい、というのが現在の見え方です。
じゃあ順番は? 目的で決める
「両方やる」が決まったら、次は順番です。ここに唯一の正解はありません。先にやったほうに、より多くのエネルギーとフォームの集中を注げるので、「優先したいものを先に」が基本原則になります。
- 筋力・筋肉を最優先したい → 筋トレを先に。疲れていない状態で重い負荷を扱えるほうが、筋トレの質が上がります。
- 持久力・体力を最優先したい → 有酸素を先に。追い込んだ状態で走る/漕ぐほうが、心肺への刺激が入ります。
- 脂肪燃焼・血糖対策を意識したい → 有酸素の置き方に意味が出ます。糖尿病の方を対象にした小規模な研究では、有酸素を含むセッションのあとに血糖値が下がったと報告されています(順番を比べた研究, 2025)。ただし少人数の急性反応の研究なので、参考程度に。
迷ったら、多くの人には「筋トレ→有酸素」をおすすめします。理由は単純で、フォームが崩れると危ないのは筋トレのほうだから。元気なうちに正しいフォームで鍛え、そのあと有酸素で仕上げる。この順番が、安全と効率のバランスが取りやすい。
【早見表】あなたはどっちを先に?
目的を1つだけ選ぶなら、という前提で整理します。
| 最優先したいこと | 先にやる | ねらい |
|---|
| 筋力・筋肉を増やす | 筋トレ | 元気なうちに高い負荷を扱う |
| 体力・持久力を上げる | 有酸素 | 心肺にしっかり刺激を入れる |
| ケガなく安全に | 筋トレ | フォームが崩れる前に鍛える |
| とにかく続けやすさ | どちらでも | その日やる気の出るほうから |
※ どちらを先にしても「両方やる」価値は大きく変わりません。順番より、続けられるかのほうが結果を左右します。
【1週間サンプル】両方をどう組むか
「両方が大事、順番は目的で」と言われても、実際の1週間に落とし込めないと動けません。週3回動ける前提で、目的別のサンプルを置きます。あくまで型で、これに縛られる必要はありません。
| 目的 | 月 | 水 | 金 |
|---|
| 筋肉・体型を優先 | 筋トレ(下半身) | 筋トレ(上半身) | 筋トレ+短め有酸素 |
| 体力・健康を優先 | 有酸素+軽い筋トレ | 有酸素 | 筋トレ+有酸素 |
| ダイエットを優先 | 筋トレ→有酸素 | 有酸素 | 筋トレ→有酸素 |
※ 同じ日に両方やる場合は「優先するほうを先に」。週2回しか取れないなら、1回を筋トレ+有酸素、もう1回を好きなほうに。
大事なのは、この表を完璧に守ることではありません。「筋トレと有酸素の両方が、週のどこかに入っている」。それだけ担保できれば、細かい順番の差より、続いていることのほうがずっと効きます。
「有酸素は筋肉を溶かす」問題への現実的な答え
「有酸素をやりすぎると、筋肉が落ちる」。これも根強い不安です。半分正しく、半分は誤解です。
正しいのは、極端に長時間の有酸素を、栄養不足の状態で続ければ、筋肉の分解が進みうるということ。誤解は、「普通の量の有酸素なら筋肉が溶ける」と思い込むことです。前述のとおり、適切な範囲の併用ではむしろ筋力は伸びています。
現実的な対策はシンプルです。たんぱく質をしっかり摂る、有酸素を極端に長くしすぎない、筋トレのボリュームを確保する。この3つを押さえれば、有酸素で筋肉が溶ける心配は、ほとんどの人にとって現実的な問題になりません。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」も、筋トレを週2〜3日、有酸素性の活動と組み合わせることを推奨しています。公的な指針も「両方」なのです。
なお、ここで言う「両方」は筋トレと有酸素の話ですが、体づくりの土台としてはピラティスのような「整える」運動も相性が良い。筋トレ・有酸素・ピラティスの役割分担は、筋トレとピラティス、どっちをやるべき?|科学が出した答えは「両方」でも整理しています。
RESISTでの「両方」の組み方
RESISTは、筋トレ・マシンピラティス・パーソナルストレッチを1か所で組めるオールインワンのパーソナルジムです。
有酸素については、RESISTのセッションは高回転の筋トレ(サーキット的な組み方)で心拍を上げる設計もでき、別途ランニングマシンだけの時間を作らなくても、1回の中で「鍛える」と「息を上げる」を両立させやすい。あなたの目的(筋力・体力・体型)に合わせて、順番も配分も1対1で設計します。通い放題なので、「今日は筋トレ中心」「明日は軽く動いて整える」とメリハリもつけられます。通い放題の活かし方は通い放題パーソナルジム×ピラティスの選び方も参考に。
何から始めればいいか分からない方は、まずは無料体験から。あなたに合う組み合わせと順番を一緒に決めます。無理な勧誘は一切ありません。店舗一覧・予約はこちら。
よくある質問(FAQ)
Q. 同じ日にやるのと、別の日に分けるの、どっちがいい?
A. 続けやすいほうで大丈夫です。時間が取れるなら別の日に分けると、それぞれに集中できます。忙しいなら同じ日にまとめてOK。研究上、「両方やる」価値は分割してもまとめても大きくは変わりません。いちばん避けたいのは「順番を気にしすぎて、結局やらない」ことです。
Q. ダイエット目的なら有酸素だけでいいですか?
A. おすすめしません。有酸素で消費カロリーを稼げますが、筋トレを抜くと、減量中に筋肉まで落ちて代謝が下がり、リバウンドしやすくなります。脂肪を落としつつ体型を引き締めるには、筋トレで筋肉を守りながら有酸素で燃やす「両方」が結局は近道です。
Q. 筋トレのあとの有酸素は、どれくらいやればいい?
A. 目的しだいですが、体力づくりや脂肪燃焼が目的なら、筋トレ後に20〜30分の中強度(少し息が弾む程度)から。長時間やるほど良いわけではありません。筋肥大を優先する時期は、有酸素は短めか別日に回すのも一手です。
参考文献