「最近、イライラしやすい」
「不安を引きずりやすい」
「気持ちの切り替えに時間がかかる」
こうした状態を、性格や気合いの問題だと思っていないでしょうか。
もちろんメンタルには睡眠、仕事、人間関係、栄養状態などさまざまな要素が関わります。
ただ最近の研究では、心肺持久力が高い人ほど、不安や怒りが低く、ストレスがかかった場面でも感情が乱れにくい可能性が示されています。
心肺持久力というと、ランニングや持久系スポーツのパフォーマンスを思い浮かべる人が多いかもしれません。
ですが実はそれだけではなく、感情の安定性やストレスへの強さにも関係しているかもしれません。
今回は最新研究をもとに、
心肺持久力と不安・怒りはどう関係するのか
なぜ有酸素能力がメンタルに影響しうるのか
普段トレーニングしている人がどう活かせるのか
を、わかりやすく解説します。
心肺持久力が高い人ほど、不安や怒りが低い可能性がある

2026年に発表された研究では、健康な若年成人40人を対象に、心肺持久力と怒り・不安・感情的レジリエンスの関係が調べられました。
研究ではまず、参加者の
もともとの不安傾向
怒りやすさ
を評価。さらに別日に、不快な画像を30分見せ、その前後で不安や怒りの変化を測定しています。
結果として示されたのは、主に次のポイントです。
1. 心肺持久力が高い人ほど、普段からの不安傾向が低かった
研究では、心肺持久力の指標であるVO₂maxが高い人ほど、特性不安(ふだんからどれくらい不安を感じやすいか)が低いことが示されました。
つまり、心肺持久力の高い人は、単に運動能力が高いだけでなく、日常的な不安の感じやすさにも違いがある可能性があります。
2. ストレス刺激を受けたとき、怒りが増幅しにくかった
不快な画像を見せた後の変化を見ると、心肺持久力が高い人ほど怒りの高まり方が小さい傾向が見られました。
これはかなり興味深いポイントです。
ただ気分が良い、前向き、といった話ではなく、嫌な刺激を受けたときの感情の振れ幅にまで差があるかもしれない、ということです。
3. 心肺持久力が低い群では、不安が強く悪化しやすかった
研究では、心肺持久力が平均未満だった人は、平均以上だった人と比べて、不快刺激の後に不安が高レベルへ悪化するリスクが大きいことも報告されました。
この数値はインパクトがありますが、研究規模は小さいため、ここは慎重に読む必要があります。
それでも少なくとも、心肺持久力が低い状態は、ストレス下での感情コントロールに不利に働く可能性があるとは言えそうです。

この研究の面白さは「ストレスがゼロになる」ではなく「増幅しにくい」こと
メンタルと運動の話になると、よく「運動すると気分がよくなる」とまとめられがちです。
それ自体は間違いではありません。
ただ今回の研究が面白いのは、そこからもう一歩踏み込んで、ストレスを受けたときに感情がどれだけ増幅するかを見ていることです。
日常生活では、
仕事のトラブルでイラッとする
人間関係でモヤモヤする
将来のことを考えて急に不安になる
SNSやニュースで気持ちがざわつく
といった場面が普通にあります。
大事なのは、ストレスを完全になくすことではなく、ストレスが来たときにどこまで乱れにくいかです。
今回の研究は、その土台の一つとして心肺持久力が関わっている可能性を示したわけです。
そもそも心肺持久力とは?

心肺持久力とは、運動中に心臓・肺・血管がどれだけ効率よく酸素を全身へ運べるかを表す能力です。
ランニング、バイク、ローイング、ウォーキング、階段昇降などの有酸素運動と深く関係します。
この能力を代表する指標がVO₂max(最大酸素摂取量)です。
VO₂maxが高い人は一般に、
長く動き続けやすい
疲れにくい
回復しやすい
同じ運動強度でも余裕がある
という特徴があります。
そして今回の研究は、このVO₂maxが、パフォーマンスだけでなく感情の安定性にも関わるかもしれないと示唆しています。
最新研究だけではない。過去の大規模レビューでも同じ方向性が見えている
今回の研究は非常に興味深い一方で、参加者は40人と小規模です。
そこで重要なのが、過去の大きな研究の流れと一致しているかどうかです。
2019年のシステマティックレビュー・メタ解析では、心肺持久力とメンタルヘルスの関係を前向きコホート研究から検証しています。
その結果、
低い心肺持久力の人は、高い心肺持久力の人に比べて
一般的な精神健康問題の発症リスクが47%高い中程度の心肺持久力でも
23%高い
という結果が報告されました。
さらに、心肺持久力が高くなるほどリスクが下がる、いわゆる用量反応関係の可能性も示されています。
つまり今回の最新研究は、単独で浮いた話ではなく、
これまでの「心肺持久力が低いとメンタル不調リスクが高い」という流れ
そこに「ストレス下での感情の揺れにくさ」という視点を加えた研究
として理解できます。
なぜ心肺持久力がメンタルに関係するのか?

ここはまだ完全には解明されていません。ただ、いくつか有力な説明があります。
1. ストレスへの身体反応が過剰になりにくい
心肺持久力が高い人は、同じストレスに対しても、
心拍数の上がり方
呼吸の乱れ
身体のしんどさ
が過剰になりにくい可能性があります。
身体の反応が落ち着いていると、脳も「危険だ」「まずい」と判断しにくくなるため、不安や怒りの増幅が抑えられるかもしれません。
2. 運動によって「回復する力」を練習している
有酸素運動では、
心拍が上がる
呼吸が乱れる
その後、落ち着く
という流れを何度も経験します。
これは見方を変えると、ストレス反応と回復反応を身体に何度も学習させているとも言えます。
その積み重ねが、心理的なレジリエンスにもつながっている可能性があります。
3. 脳や炎症、生活リズムへの影響
関連レビューでは、心肺持久力の高さは、
脳機能
炎症の抑制
酸化ストレスへの耐性
などと関係する可能性が述べられています。
また現実的には、運動習慣がある人は、
睡眠の質
日中の活動量
生活リズム
も整いやすいため、こうした要素が総合的に感情の安定を支えているとも考えられます。
普段トレーニングしている人こそ、心肺持久力を軽視しないほうがいい
筋トレやボディメイクをしている人ほど、
見た目
体脂肪率
重量
サイズ感
に意識が向きやすいものです。
もちろんそれは大切です。
ただ、今回の研究が示唆しているのは、心肺持久力を高めることは、身体づくりだけでなく“感情の土台づくり”でもあるかもしれないということです。
たとえば、心肺持久力が上がることで、
仕事のプレッシャーに飲まれにくくなる
イライラの立ち上がりが穏やかになる
不安を引きずりにくくなる
気持ちの切り替えがしやすくなる
といった変化が起きる可能性があります。
こうした変化は、筋肉量の増加ほど目には見えません。
でも、日々のパフォーマンスや人生の質にはかなり大きく影響します。
では、実際にどう取り入れればいいのか?

ポイントは、たまに頑張ることより、継続して心肺持久力を育てることです。
取り入れやすい方法
週2〜4回、有酸素運動を行う
ランニング、ウォーキング、バイク、ローイングなどを活用する
まずは「会話ができるけれど少し息が上がる」強度をベースにする
慣れてきたら、やや強度の高いインターバルも少し入れる
筋トレ中心の人も、心肺系のトレーニングを別枠で持つ
大事なのは「追い込みすぎない」こと
メンタルに良いからといって、毎回ヘトヘトになる必要はありません。
むしろ疲労が強すぎると、睡眠や回復が乱れて逆効果になることもあります。
大切なのは、少しずつ心肺機能を高め、回復しやすい身体をつくることです。
RESISTとしての考え方:整った身体は、整った感情を支える
身体づくりというと、見た目の変化に目が向きやすいものです。
でも本来、トレーニングの価値はそれだけではありません。
疲れにくい
回復しやすい
姿勢が整う
呼吸が整う
ストレスに崩れにくくなる
こうした変化もまた、立派なトレーニングの成果です。
心肺持久力を高めることは、走る力を伸ばすことでもあり、同時に感情の揺れにくさを支える土台づくりでもあるかもしれません。
トレーニング、ピラティス、コンディショニング。
それぞれのアプローチは違っても、目指すのは共通しています。
“ただ鍛える”のではなく、日常をより良く生きられる身体をつくること。
それが結果的に、見た目だけでなく、気分や集中力、回復力にもつながっていきます。
この研究の注意点
今回の研究は非常に示唆に富んでいますが、読み方には注意も必要です。
限界として押さえておきたい点
参加者数は40人と少ない
健康な若年成人が対象で、他の年代や集団にそのまま一般化できない
心肺持久力は直接測定ではなく、自己申告の運動習慣から推定されている
つまり、今回の研究だけで
心肺持久力を上げれば必ず不安が減る
有酸素運動だけでメンタルの問題が解決する
とまで言い切ることはできません。
ただし、過去のレビュー研究とも整合的であり、心肺持久力がメンタルヘルスやストレス耐性に関わる可能性はかなり有力だと考えられます。
まとめ
最新研究では、心肺持久力が高い人ほど、不安傾向が低く、ストレス場面でも怒りや不安が増幅しにくい可能性が示されました。
さらに過去のメタ解析でも、心肺持久力が低い人ほど、将来的なメンタル不調リスクが高いことが報告されています。
つまり心肺持久力は、
疲れにくさ
持久力
パフォーマンス
だけでなく、
ストレスに崩れにくい心身のベース
にも関わっているかもしれません。
見た目を変えるためのトレーニングも大切です。
でもそれと同じくらい、感情の回復力を支える身体を育てるという視点も大事です。
今日のランニングやトレーニングは、
未来の体型だけでなく、未来のメンタルの安定にもつながっているかもしれません。
よくある質問
Q1. 心肺持久力が高いと、本当に不安や怒りが減るのですか?
A. 最新研究では、心肺持久力が高い人ほど、不安傾向が低く、ストレス刺激を受けたときにも怒りや不安が増幅しにくい可能性が示されています。
ただし、これは「必ず減る」と断定できるものではなく、あくまで関連が示されたという段階です。感情の安定には、睡眠、仕事のストレス、人間関係、栄養状態、体調なども大きく関わります。とはいえ、心肺持久力を高めることは、メンタルの土台づくりとして有力な選択肢のひとつと考えられます。
Q2. 心肺持久力とは、簡単にいうと何ですか?
A. 心肺持久力とは、運動中に心臓・肺・血管がどれだけ効率よく酸素を全身へ運べるかを表す能力です。
ランニングやウォーキング、バイク、水泳などの有酸素運動と深く関係しています。
この能力が高いほど、一般的に
疲れにくい
長く動ける
回復しやすい
といった特徴が出やすくなります。
Q3. VO₂maxとは何ですか?
A. VO₂max(最大酸素摂取量)とは、体がどれだけ酸素を取り込み、運び、使えるかを表す代表的な指標です。
心肺持久力を評価するうえでよく使われ、数値が高いほど有酸素能力が高いと考えられます。アスリートだけの指標と思われがちですが、実際には疲れにくさや日常の活動能力、健康状態の把握にも役立つ重要な指標です。
Q4. 不安やストレスに対しては、筋トレより有酸素運動の方がいいのですか?
A. どちらか一方だけが良い、というより、両方に価値があります。
今回の記事は心肺持久力、つまり有酸素能力に焦点を当てていますが、筋トレにも
気分改善
自己効力感の向上
体力向上
姿勢や不調改善
などのメリットがあります。
一方で、有酸素運動は特に
心肺持久力の向上
回復力の向上
ストレス反応の安定化
といった面で強みがあります。
そのため、筋トレだけでなく、有酸素運動も組み合わせるのが理想的です。
Q5. ランニングが苦手でも心肺持久力は高められますか?
A. はい、ランニング以外でも十分に高められます。
たとえば、
早歩き
バイク
エアロバイク
ローイング
スイミング
階段昇降
などでも心肺持久力は鍛えられます。
大切なのは、「ランニングをすること」そのものではなく、心拍と呼吸が少し上がる運動を継続することです。関節への負担が気になる方は、ウォーキングやバイクから始めるのもおすすめです。
Q6. 週にどれくらいやれば効果が期待できますか?
A. 目安としては、週2〜4回の有酸素運動から始めるのが取り入れやすいです。
最初は、
会話ができる程度
少し息が上がる程度
の強度で十分です。
慣れてきたら、短いインターバルややや高めの強度を一部入れることで、心肺持久力をさらに高めやすくなります。
大切なのは、短期間で頑張りすぎることよりも、無理なく継続できるペースをつくることです。
Q7. どのくらい続けると変化を感じやすいですか?
A. 個人差はありますが、数週間〜数か月の継続で変化を感じる人が多いです。
まず感じやすいのは、
息切れしにくくなる
日常で疲れにくくなる
寝つきや気分が安定しやすくなる
といった変化です。
見た目の変化より先に、回復しやすさや気分の切り替えやすさとして現れることも少なくありません。焦らず、継続を前提に取り組むことが大切です。
Q8. 強度は高い方がメンタルにも効果的ですか?
A. 高強度が必ずしも最適とは限りません。
心肺持久力を高めるにはある程度の負荷も有効ですが、毎回きつすぎる運動をすると、疲労がたまり、回復や睡眠に悪影響が出ることもあります。
特に、ストレスが強い時期や疲れている時期は、
軽めの有酸素運動
呼吸が整いやすい運動
継続しやすい運動
の方が合う場合もあります。
大切なのは、その日の状態に合わせて、続けられる強度を選ぶことです。
Q9. 心肺持久力を高めれば、メンタルの問題は解決しますか?
A. いいえ、運動は有力な手段のひとつですが、万能ではありません。
不安やイライラ、気分の落ち込みには、
睡眠不足
過労
対人ストレス
栄養状態
ホルモンバランス
既往歴
など、さまざまな要因が関わります。
そのため、運動だけで全てを解決しようとするのではなく、必要に応じて休養や生活改善、医療・専門家のサポートも含めて考えることが大切です。
ただし、心肺持久力を高める習慣がメンタルの土台づくりに役立つ可能性は十分あります。
Q10. 普段から筋トレをしている人でも、有酸素運動を入れた方がいいですか?
A. はい、筋トレ中心の人でも有酸素運動を取り入れる価値は大きいです。
筋トレには筋力や見た目、代謝改善などのメリットがありますが、有酸素運動を加えることで
心肺機能の向上
回復力の向上
日常の疲れにくさ
ストレス耐性の底上げ
が期待できます。
特に、見た目だけでなく、動ける身体・崩れにくい身体・回復しやすい身体をつくりたい人には、有酸素運動の併用がおすすめです。
参考文献
Costa TG, do Amaral LC, Morais NS, et al. Cardiorespiratory fitness is associated with lower anger and anxiety and higher emotional resilience. Acta Psychologica. 2026;264:106371. doi:10.1016/j.actpsy.2026.106371. PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41653765/
Kandola A, Ashdown-Franks G, Hendrikse J, Sabiston CM, Stubbs B. The association between cardiorespiratory fitness and the incidence of common mental health disorders: A systematic review and meta-analysis. J Affect Disord. 2019;257:748-757. doi:10.1016/j.jad.2019.07.088. PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31398589/;PMC:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6997883/
最後に|私たちRESISTについて
私たちパーソナルジム&ピラティス RESIST は、
「すべての人に、運動という“日常”を。」
をコンセプトに、運動の民主化を目指しているパーソナルジムです。
運動の価値は、見た目を変えることだけではありません。
身体を引き締めることはもちろん、疲れにくさ、回復しやすさ、姿勢、呼吸、そしてストレスに崩れにくい身体をつくること。
それもまた、運動を続ける大きな意味だと私たちは考えています。
しかし実際には、
パーソナルジムは敷居が高そう
忙しくて運動する時間が取れない
始めても続けられる自信がない
と感じて、最初の一歩を踏み出せない方も少なくありません。
RESISTは、そんな“運動を続けるうえでの壁”を壊すためのジムでありたいと考えています。
仕組みとテクノロジー、そして何より人の温かさを通して、運動を一部の人だけのものではなく、誰にとっても続けられる日常にしていく。
それが、RESISTの目指していることです。
RESISTでは、完全個室でのマンツーマントレーニングを通い放題で受けることができます。
さらに、ただ筋力トレーニングを行うだけではなく、
筋力トレーニング
ピラティス
ストレッチ
を、その日の身体の状態や目的に合わせて組み合わせながら受けられる、オールインワン型のパーソナルジムです。
身体を引き締めたい
姿勢を整えたい
肩こりや腰まわりの不調をケアしたい
運動不足を解消したい
無理なく続けられる習慣をつくりたい
体力や心肺機能を高めて、疲れにくい身体をつくりたい
そんな一人ひとりに合わせて、完全個室の落ち着いた空間で、トレーナーがマンツーマンでサポートします。
また、RESISTは通いやすさにもこだわっています。
通い放題だから、自分のペースで継続しやすい
当日予約も可能だから、予定の合間にも通いやすい
レンタルウェア無料だから、手ぶらで通える
荷物の準備がいらないので、仕事帰りやスキマ時間にも通いやすい
「ジムに行くまでの準備が面倒で続かない」
「忙しくて、細かく予定を組みにくい」
そんな方でも、できるだけ無理なく、運動を日常に取り入れられるように設計しています。
RESISTが届けたいのは、短期的な変化だけではありません。
一時的に頑張る運動ではなく、日常の中に自然と続いていく運動習慣です。
自己流では続かなかった
自分に合う方法で、無理なく身体を整えたい
運動を始めたいけれど、何から始めればいいかわからない
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